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ピータァ・オトゥールについて

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ピータァ・オトゥールが亡くなったそうだ。
いつも読んでいる「THE BRADY BLOG」の記事で知った。

XXX

閑話休題。
前述のブログはイギリスのミュージックシーンにまつわる記事を掲載している。
私はイギリスのそれには強い興味はない。
それよりも、筆者の描く「普通のイギリス」が興味深い。
よく知られているようにイギリスにはクラスがある。
日本も格差社会と言われているが、イギリスのクラスはまったく別物である。
旅行者のような立場ではそのクラスを知ることができない。
このブログの筆者は、そこに住み、そこで働き、そこで子育てをしている。
ワーキングクラスの一員として、
ワーキングクラスの人たちの喜怒哀楽を描いている。
マトモな人なら口にしない4文字単語をいちいち語尾に付けて話すような、
そんな人たちの中で暮らしている。
私はリンボウさんのエッセイなども面白く読むが、
あれは異邦人のイギリスであるなぁとつくづく思う。
私が子供の頃に住んでいた地域も、
ヨイトマケ的おっかさんや、ジャージしか服を持ってない同級生などがいたので、
まんざら遠くない気がするのだ。

XXX

ピータァ・オトゥールといえば、
多くの日本人にとっては「アラビアのロレンス」だろうと思う。
私の父親もその映画を大絶賛しており、
そんなに良い映画ならばと、
彼の数少ない蔵書の中にあったその小説を手にしたことがある。
しかし最初の10ページほどで脱落した。
砂漠が暑いの、ラクダに水を飲ませたのと、
(私には)どうでもええ内容がダラダラ続いているだけで、
一向面白くなかったのである。
記憶にある限り、途中で脱落した本はこの1冊だけだ。
みっしりと字の詰まった昔の新潮文庫で読む前に、
映画を見るべきだったのだろう。

動くピータァ・オトゥールを見たのは、
「プランケット城への招待状」である。
「スプラッシュ」の人魚マディソン役のダリル・ハンナが出るというのと、
やっぱりピータァ・オトゥールが見たかったので、
テレビでやっていたのを珍しく見たのだった。
女の子の幽霊と生きている男の子が恋仲になるという話だったと思う。
日本では幽霊と情を交わした人間はあの世に連れて行かれるのが常だが、
欧米のコメディだと、男の子は死なないのだなぁと思った覚えがある。
ピータァについては、思ったほどのスターオーラを出していなかったので、
やはりロレンスを見るべきなのかなぁと思った。
しかし、今になると、キリスト教国によって作られた、
神のみいつの届かない可哀想な国の話を
やはり可哀想な国の住人としては、あまり楽しめる気がしない。
ミスサイゴンも王様と私も蝶々夫人もセブンイヤーズインチベットも、
もっと若いうちに楽しんでおけば良かった。
ちなみにラマンはセンチメンタルの洪水が辛かった(笑)

「ピータァ」という表記はモリマリに依る。
彼女はピータァが大変お好みだったようで、
彼女のエッセイには頻繁に登場する。
彼女のキラキラな単語でキラキラに形容されたピータァは、
私の中では、もはや実際のピータァとは関係なく、
「とにかく無闇な美男」という位置づけだ。
若い頃のピータァはロレンスのスチールで見たきりで、
ガタイの良い面長な彼は、まったく私の好みではなかった。
しかし、私の好みなどどうでもよく、彼は「絶対的な美男」なのだった。

映画なんてあまり興味のない私にも
彼にまつわることがこれだけ書けてしまうのだから、
その点だけでも彼は世界の名優だったのだなぁと思う。

wikipediaによると、彼は長く病床にあったようだ。
どうぞ安らかに。

XXX

なんつーか、スプラッシュなんてのが出てくる時点で、
我ながらアラフォー感満載(笑)


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